UFCのスプリット判定とユナニマス判定の違い:5,443試合で見る判定率とマジョリティ判定
UFCのスプリット判定とユナニマス判定の違いを、AgentMMAのデータで解説。2016年から2026年10月24日までのUFC 5,443試合では、49.3%が判定に進んだ。それぞれの判定は何を意味し、どのような採点で決まるのか。実際の集計結果をもとに、数字の読み方とともに説明する。


まず結論
AgentMMAがUFCの5,443試合を分析したところ、49.3%が判定に進んだ。その内訳はユナニマスが77.6%、スプリットが19.7%、マジョリティが2.7%。引き分けも、記録された決着方法の区分に含めている。スプリットは判定の約5.1試合に一度だった。
UFCのスプリット判定とユナニマス判定の違いは、勝者についてジャッジの判断が一致したかどうか。ユナニマスでは三人全員が同じ選手を勝者に選ぶ。スプリットでは二人が同じ選手を選び、残る一人は相手を支持する。どちらの呼び方も、採点の良し悪しや勝ち方の圧倒的さを示すものではない。
データ概要: AgentMMAが2016-01-02から2026-10-24までのUFC全5,443試合を分析。対象は決着方法が記録された試合で、うち2,682試合が判定に進んだ。集計日は2026-10-26。
AgentMMAのデータから何が分かる?
年別の判定内訳
| 年 | 試合数 | 判定率(全試合中) | ユナニマス(判定内) | スプリット(判定内) | マジョリティ(判定内) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 493 | 50.3% | 73.8% | 22.6% | 3.6% |
| 2017 | 457 | 49.0% | 73.7% | 22.3% | 4.0% |
| 2018 | 474 | 48.3% | 72.9% | 25.3% | 1.7% |
| 2019 | 516 | 53.7% | 78.7% | 19.1% | 2.2% |
| 2020 | 456 | 49.6% | 82.3% | 16.4% | 1.3% |
| 2021 | 509 | 50.3% | 78.5% | 18.0% | 3.5% |
| 2022 | 511 | 46.8% | 73.6% | 22.6% | 3.8% |
| 2023 | 520 | 47.7% | 77.4% | 18.5% | 4.0% |
| 2024 | 517 | 54.4% | 75.4% | 23.8% | 0.7% |
| 2025 | 522 | 49.4% | 85.3% | 13.6% | 1.2% |
| 2026(10月24日まで) | 468 | 41.9% | 82.7% | 13.3% | 4.1% |
| 全期間 2016-2026 | 5,443 | 49.3% | 77.6% | 19.7% | 2.7% |
UFCの判定率は多くの年で半数前後となり、2025年は49.4%だった。判定に占めるスプリットの割合には幅があり、2018年は25.3%、2025年は13.6%。ただし、試合や階級、担当ジャッジも変わるため、これで採点が改善したとは言えない。2026年の数字は10月24日までなので、通年の結果として扱わないでほしい。
階級別の判定内訳、2016-2026
| 階級 | 試合数 | 判定率(全試合中) | ユナニマス(判定内) | スプリット(判定内) | マジョリティ(判定内) |
|---|---|---|---|---|---|
| ヘビー級 | 415 | 38.1% | 77.8% | 17.7% | 4.4% |
| ライトヘビー級 | 414 | 34.5% | 72.0% | 24.5% | 3.5% |
| ミドル級 | 626 | 41.7% | 79.7% | 18.4% | 1.9% |
| ウェルター級 | 728 | 48.4% | 77.8% | 19.6% | 2.6% |
| ライト級 | 762 | 46.1% | 77.8% | 17.9% | 4.3% |
| フェザー級 | 628 | 52.7% | 78.9% | 18.1% | 3.0% |
| バンタム級 | 598 | 54.0% | 76.8% | 20.7% | 2.5% |
| フライ級 | 328 | 52.4% | 76.2% | 23.3% | 0.6% |
| 女子バンタム級 | 201 | 62.7% | 81.7% | 16.7% | 1.6% |
| 女子フライ級 | 285 | 63.5% | 78.5% | 19.3% | 2.2% |
| 女子ストロー級 | 346 | 66.2% | 76.4% | 21.4% | 2.2% |
掲載階級でスプリットの割合が最も高いのは、判定の24.5%を占めたライトヘビー級で、全試合の34.5%が判定に進んだ。判定率が最も高いのは女子ストロー級の66.2%。二つは別の指標なので、判定が少ない階級でも、その中で判断が割れる割合は高くなり得る。2016年以降の判定が40試合未満の階級は掲載しておらず、この表だけでは階級差が生まれる原因は分からない。
UFCのスプリット判定とユナニマス判定は何が違う?
ユナニマス判定勝ちは、ジャッジ三人全員が同じ選手を勝者に選ぶことが条件。スプリット判定勝ちでは、二人がその選手を支持し、一人は相手を支持する。
ボクシング・格闘技コミッション協会(ABC)の規則では、各ジャッジの採点表を合計した結果で判定の種類を決める。三人の点数を全部足して、勝者を決めるわけではない。
| 判定の種類 | ジャッジ1 | ジャッジ2 | ジャッジ3 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| ユナニマス判定 | 選手A | 選手A | 選手A | 選手Aの勝ち |
| スプリット判定 | 選手A | 選手A | 選手B | 選手Aの勝ち |
| マジョリティ判定 | 選手A | 選手A | 引き分け | 選手Aの勝ち |
| ユナニマスドロー | 引き分け | 引き分け | 引き分け | 引き分け |
| マジョリティドロー | 選手A | 引き分け | 引き分け | 引き分け |
| スプリットドロー | 選手A | 選手B | 引き分け | 引き分け |
ユナニマスでも、点数まで同じとは限らない。29-28、30-27、29-28で全員が選手Aを支持すれば、ユナニマス判定となる。
UFCのスプリット判定はどれくらいある?何を数えている?
AgentMMAの集計では、スプリット区分は判定の19.7%。判定の約5.1試合に一度に当たる。ユナニマス区分は77.6%、マジョリティ区分は2.7%だった。
これらは判定に進んだ2,682試合の内訳だ。一方、判定率49.3%の分母は、決着方法が記録された全5,443試合となる。
AgentMMAは公式の決着方法欄にある「Decision - Unanimous」「Decision - Split」「Decision - Majority」で試合を分類している。引き分けも区分内に残し、マジョリティドローはマジョリティ区分に含めた。判定2,682試合のうち、45試合は引き分けだった。
引き分けを除けば、集計対象そのものが変わる。勝敗がついた試合だけの表と比べる前に、定義を確認してほしい。
UFCの試合はどうやって判定に進む?
多くの判定は、予定された最終ラウンドの終了後に出る。三人のジャッジが10ポイント・マスト方式で各ラウンドを採点し、それぞれの採点表を合計する。
ラウンドの勝者には、減点前の点数として10点が入る。相手は通常九点で、差が大きいラウンドなら10-8になることもある。まれに、互角のラウンドが10-10となる場合もある。
反則で試合が途中終了しても、規則の条件を満たせばテクニカル判定になる。判定に進むことと、最後のホーンまで戦うことは、必ずしも同じではない。この集計は記録された決着方法を使っている。予定された試合時間を消化したかどうかを、別途検証したものではない。
UFCのジャッジは何を採点する?
ジャッジは各ラウンドで、攻撃がどれほど有効だったかを見る。ABCの2025年の採点基準の補足説明では、打撃とグラップリングの効果を評価する際、ダメージを最優先している。
目に見える傷だけが対象ではない。打撃で相手を防戦に追い込んだ場面や、一本を狙う技で相手が苦しむ様子も、攻撃の効果を示す。
上のポジションを保つだけでは、有効なグラップリングとは言えない。そこで何をしたかを見よう。位置取りだけよりも、ダメージを与える攻撃や、一本を奪いかねない攻めが重視される。
有効な打撃とグラップリングにわずかな差も見いだせない場合、ジャッジは積極性や試合エリアの支配を考慮する。補足説明では、そのラウンドへの影響が大きかった方を使うとしている。
前に出ただけで、ラウンドを取れるわけではない。打撃数が多いだけでも、どちらの攻撃がより有効だったかは決まらない。

ユナニマス判定なら圧勝だった?
そうとは限らない。接戦でも、三人のジャッジが同じ勝者を選ぶことはある。全員29-28でも、全員30-25でも、判定の呼び方はユナニマス。点差は違っても同じ区分だ。
合計点が一致しても、各ラウンドの判断は違う場合がある。同じ選手を29-28で支持していても、その選手が落としたラウンドは一致しないことがある。
勝者についての一致、点差、実際の攻防は分けて考えよう。決着方法が教えてくれるのは最初の点だけで、試合内容の全体像ではない。
スプリット判定なら誤採点の証拠になる?
スプリットが示すのは、勝者について判断が分かれたこと。誤った採点があったか、どの採点が誤りだったかまでは分からない。
二人が全ラウンドを選手Aにつけ、残る一人が29-28で選手Bを支持したとしよう。二人が全ラウンドをAのものと見ていても、結果はスプリット判定となる。
「不当判定」と呼ぶなら、争点となったラウンドの根拠が必要だ。まず採点基準と攻防を照らし合わせ、そのうえで採点表のどこが違うか確認しよう。判定の種類だけでは、その議論に答えは出せない。
ベンジャミン・ホームズ、イアン・マクヘイル、カミラ・ジハルクの2024年の研究は、統計モデルでジャッジごとの評価傾向を示した。調べたのは、ジャッジが試合中の動きをどう評価するかだ。一方、AgentMMAの研究は判定区分を数えるもので、個々のジャッジを検証してはいない。
マジョリティ判定と引き分けは何が違う?
二人が同じ勝者を選び、一人が引き分けなら、マジョリティ判定勝ちとなる。二人が引き分けとし、一人だけが勝者を選べば、マジョリティドローだ。
ラウンド数が奇数でも、合計点は同点になり得る。選手Aが最初の二つのラウンドを10-9で取り、最後のラウンドを10-8で落としたとしよう。その採点表は28-28になる。
減点によって29-28のリードが28-28に変わることもある。引き分けには互角のラウンドが必要だと考える前に、採点と減点を確認しよう。
この違いは、今回の集計を読む際にも大切だ。AgentMMAは記録された決着方法の区分に従うため、マジョリティの列にはマジョリティドローも含む。引き分けを勝利として扱っているわけではない。
UFCの採点表はどう読めばいい?
まず、各採点表が誰を勝者としているかを確認しよう。全ジャッジの点数を一つに足してはいけない。
- 各採点表を、選手A、選手B、引き分けのいずれかに分ける。
- その組み合わせを、上の判定パターンと照らし合わせる。
- 10-8や10-10のラウンド、減点がないかを見る。
- 接戦だったかを判断する前に、各ラウンドの採点を比べる。
減点や例外的な採点がなければ、29-28は通常、勝者が二つのラウンドを取ったことを意味する。ただし、そのラウンドをどれほど僅差で取ったかは分からない。
判断が分かれたラウンドを見直そう。試合全体の印象だけでは、勝敗を決めたラウンドを見落とすことがある。
試合を見るときにどう生かす?
判定の種類を、次に何を確認するかの手掛かりにしよう。スプリットなら採点表を開き、判断が割れたラウンドを探す。ユナニマスなら、圧勝と表現する前に点差を確かめる。
AgentMMAの選手データベースや直接比較ツールを使うときも、勝利数だけで判断しないでほしい。スプリット勝ちが続いていれば、詳しく見直す理由にはなる。ただし、運が良かった証拠にはならない。
予想の分析では、勝敗、決着方法、各ラウンドの採点、減点を分けて扱おう。ユナニマス勝ちをすべて圧勝扱いしたり、スプリット勝ちを一律に低く評価したりしないこと。
ライトヘビー級のスプリット率24.5%は、過去の傾向を知る材料になる。次の試合の予測ではない。この割合を使えば予想が改善するかどうかも、今回の研究では検証していない。
このデータはどこまで確か?
対象は、AgentMMAのデータベースで決着方法が記録された、2016-01-02から2026-10-24までのUFC全5,443試合。うち2,682試合が判定に進んだ。AgentMMAはUFC Stats由来の結果とラウンド別データを使い、2026-10-26に集計した。
決着方法の記録がない試合は対象外となる。その欠損によって何件を除外したかは、今回の研究では示していない。階級別の表からは、2016年以降の判定が40試合未満の階級も除いている。
ユナニマス、スプリット、マジョリティの区分は、決着方法欄で決める。引き分けも含め、表の最後の三列はすべて判定数を分母としている。四捨五入のため、表示された割合の合計が厳密に100%にならない場合がある。
決着方法の表記はUFC Statsに基づく。後から結果が覆った少数の試合では、最終的に記録された結果を使っている。このデータベース研究は、コミッションの採点表を独自に監査したものではない。
スプリット判定はジャッジの不一致を示すが、結果の誤りを示すものではない。表では、採点基準、選手のスタイル、試合の構成による影響を切り分けていない。示しているのは関連であって、原因ではない。
2026年の数字は年の途中までの集計だ。試合の追加、記録の訂正、対象期間の変更で割合は変わり得る。採点の質を評価するには、ラウンド別の採点表と攻防の検証が必要になる。ここで使った決着方法の区分だけでは足りない。
よくある質問
UFCのユナニマス判定とは?
ジャッジ三人全員が同じ勝者を選ぶ判定。合計点は違っていてもよい。AgentMMAの研究では、ユナニマス区分は判定の77.6%を占めた。引き分けも、記録された決着方法の区分に含めている。
UFCのスプリット判定はどれくらい多い?
AgentMMAの集計では、スプリット区分は判定の19.7%。判定の約5.1試合に一度となる。分母は判定に進んだ試合であり、UFCの全試合ではない。
UFCのマジョリティ判定とは?
二人のジャッジが同じ勝者を選び、残る一人が引き分けとする判定。AgentMMAのマジョリティ区分は判定の2.7%を占める。この研究の集計方法では、マジョリティドローも同じ区分に含む。
UFCの試合は何パーセントが判定になる?
AgentMMAの分析では、2016-01-02から2026-10-24までのUFC 5,443試合のうち、49.3%が判定に進んだ。2025年の判定率は49.4%だった。
UFCのスプリット判定は不当判定という意味?
違う。勝者についてジャッジの判断が分かれたという意味だ。採点が誤っていたかを判断するには、ラウンド別の採点表と、実際の攻防を見る必要がある。
出典と参考資料
この記事の根拠となるデータと公開資料です。
- UFC Stats: official bout records behind AgentMMA's database (ufcstats.com)
- ABC: Unified Rules of Mixed Martial Arts, August 2025 (www.abcboxing.com)
- ABC: MMA Judging Criteria Clarification, July 2025 (www.abcboxing.com)
- Holmes, McHale and Żychaluk (2024): Individual preferences in MMA judging (livrepository.liverpool.ac.uk)
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